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2024年5月24日

保護者のお悩みに回答!「どうしたら自主練する子になる?」

ダンススクールを運営していて、一番多いご相談が、「うちの子、自主練しないんです。どうしたら自分からするようになりますか?」というご相談です。

 

レッスンの時間のほかに、自宅などで個人練習をすると上達するのは明白なのですが、どんな声かけをしても自主練しない子はいます。

 

自主練をしているお子さんたちは、当然ながら上達のスピードが早いです。彼らと比べて、自ら練習しようとしない我が子を見守る親御さんとしては、歯がゆい気持ちになるかもしません。

 

どうすれば自主練の必要性が伝わり、自分の意志で練習できるように子になるのでしょうか?

 

年間1.4万人が受講する、1歳から高校生までのキッズダンス専門 Ti-ccha(ちっちゃ) KID’S DANCE SCHOOL 校長であり、チャイルドコーチングアドバイザー&上級心理カウンセラーTi-cchaより、ご紹介させていただきます。

 

▼目次▼

 

現時点でお子さんは自主練の大切さを知りません

 

成功例:少しずつ成功体験を増やす

 

失敗例:親御さんが本人の⚪️⚪️⚪️を超えてしまう

 

参考例:自主練しなさいと言われず育った子

 

最後に…

 

 

現時点でお子さんは自主練の大切さを知りません

 

このコラムを読んでくださっている親御さんは、これまでのご自身の経験から、勉強や部活動など、多かれ少なかれ、自主的な行動によって成長できた成功体験をお持ちではないかと思います。

 

お子さんのためを思って、「自主練したら上手になるよ」と伝えても、お子さん自身にその気がなくて困っておられる方も多いのではないかと思います。

 

「せっかく習っているのだから、できることなら上手になって自信をつけてほしい」と思う親心、とても理解できます。

 

親御さんとして自主練の大切さを伝える時に、まずご理解いただきたいのが、お子さんは「自主練して成果を得る」という経験がまだない、ということです。

 

お子さんからしてみると、「遊びの時間が減る」「休憩時間が減る」など、自分にとって今必要だと感じている時間を、がんばる時間に変えなくてはいけないので、自主練イコール、マイナスな行動に見えているのかもしれません。

 

そんなお子さんに「自主練したら上手になるよ」と伝えても、「習い事でがんばってきたのに、どうして家でも練習しないといけないの?」と思ってしまうのです。なまているというより、まずは「?」が起きていることを理解してあげるといいと思います。

 

 

成功例:少しずつ成功体験を増やす

 

自主練の大切さがわかっていないお子さんにとって、自主練とは「遊ぶ時間」「休憩時間」を減らして取り組むもの。

 

どちらかというと「面倒」という印象なのだと思います。

 

そこで、自主練の最初のハードルを、低めに設定してあげるのがおすすめです。

 

 

ダンスでしたら、

「1日1回、その週に学んだ部分を踊る。」

 

それだけでも、全く自主練をしなかった状態と比べると、教室でのレッスン時にはこれまでと違う自分の成長を感じられると思います。

 

もしこの時に、習ったはずの振り付けが全部覚えられていないとしたら「まずは、振り付けを覚えて帰宅することが大前提だ!」という経験をさせてあげられます。

 

覚えていない部分があった場合は、覚えられたパートだけ練習するのも、れっきとした練習です。

 

また、ダンスにおいては、ゆっくりなら踊れるけれど、音楽のスピードに合わせると踊れない、ということもあります。

 

テンポが早いとついていけない部分だけを、繰り返して練習してみるのもいい練習方法です。

 

そんなふうに、1日たった5分でも練習したとします。

 

5分×1週間(7日)=35分間

 

積み重なると、しっかりした自主練の時間を確保できていることになります。

 

このように、1日たった少しの時間でも取り組むことで、レッスン時には、これまでの自分との違いを実感できるようになってくるでしょう。

 

こうした成功体験を実感するまでは、お子さん自身が「自主練の大切さ」を理解するのはなかなか難しいのです。このことを、親御さんがわかっていたら、あせらずにお子さんの気持ちに寄り添えると思います。

 

他にも、習ったことを家でやってみるだけが自主練ではありません。

「柔軟をする」「練習動画を見る」など、その子ができそうなことを提案してあげて、レッスンの時に「成果が出てきた!」と思えるように導くのがおすすめです。

 

私も学生時代、レッスンでクタクタになって帰宅し、自主練する気力が残っていない時は、ただ座ってテレビを見るのではなく、柔軟をしながら見るなど工夫していました。

 

一人一人に合った自主練の方法があると思います。

 

お子さんの性格をよくわかってる親御さんだからこそ、提案してあげられる自主練の方法が見つかると素敵ですね。

 

 

失敗例:親御さんが本人の⚪️⚪️⚪️を超えてしまう

 

お子さんに向かって、

「自主練をしなさい。」

 

指導者の方と話をする時も

「自主練させておきます。」

 

このような表現になっていませんか?

 

 

こんな時は、親御さんの熱意が本人のやる気を超えてしまっている可能性があります。

 

親御さんとしては、お子さんに伴走しているような意識なのだと思いますが、がんばるのはお子さん自身ですから、「自主練させておきます」という言葉から、本人は「させられている(強制されている)」と感じてしまいます。

 

すると、自主練の本来の目的が果たされない心配があるのです。

 

例えば、親御さんに言われて

「自主練をして、レッスンでほめられた。」

という成功体験をお子さんが得たとします。

 

これが好循環を生んで、スムーズに自主練する子へと成長していく可能性もありますが、この成功体験でうれしそうに帰ってきたお子さんに対して

 

「お父さん(お母さん)が言った通りだったでしょう。自主練って大切だよね。」

 

などと口にしてしまうと、親御さんから言われてやった自主練ということを、お子さんが再認識する形になってしまいます。

 

すると、

「自ら得た成功体験」

ではなく

「親御さんが与えてくれた成功体験」

 

となり、本来自主練で得られる成功体験の姿が、少し様子を変えてしまうのです。

 

習い事の教室では先生が指導し、自宅では親御さんが指導者の代わりにサポートするケースも多く見受けられます。

 

そのようにして、親子二人三脚でがんばっていらっしゃるご家庭は、相対的に能力も伸びやすい傾向にあります。

 

能力が伸びることはいいことではないのか?

親のサポートは子どもの力になるのでは?

 

と思われますよね。

 

当校では、長い在籍者ですと10年以上のお付き合いになる子もいます。

 

ダンスの業界で、いろいろなチャレンジをしてがんばっているお子さんも見守ってきました。

 

そんな中、せっかく続けてきたダンスをやめてしまう子や、ダンスを楽しめなくなる子がいます。

 

その理由は、

「親御さんが与えてくれた成功体験」

にあります。

 

 

2つのケースにわけてご紹介します。

 

1つ目は、伴走型親子のケースです。

 

幼少期は、親御さんご自身も一緒に覚えて練習していたのに、どこかのタイミングで、教えられなくなる時期が必ずやってきます。

 

その時に、お子さんがどうしたらいいかわからなくなってしまうのです。

 

これまで当たり前のように、隣で一緒にやってくれていたので、「親御さんのサポートなしではがんばれない子」に育ってしまった、ということかもしれません。

 

2つ目は、独立型親子のケースです。

 

成長するにつれ、お子さん自身が、親御さんと一緒にがんばってきた習い事から離れることで、精神的に自立しようとする場合です。

 

その習い事を続けている限り、常に寄り添ってアドバイスをくれる親御さんのことを、思春期のお子さん自身が遠ざけたくなるのです。

 

自主練をする子に育てたい場合は、

 

親御さんは

自主練で得られる成功体験までのサポート役

に徹して、

 

その成功体験は

「あなたが自主練したから得られたものなんだよ!と伝えてあげる。

 

その後は見守ることに徹すると、

自主練=面倒なものではなく、自主練=成長のために必要なものという思考に変えることができます。

 

 

 

参考例:自主練しなさいと言われずに育った子

 

当校では、多くの子どもたちの指導をさせていただき、子育てのエピソードも数多く伺うことができます。

 

その中で印象深かったのが、長くダンスを続けている子ほど「自主練しなさいと言われたことはありません」と言うことでした。

 

そのようなお子さんの保護者の方とお話しすると、必ずと言っていいほど

 

「本人の気持ちを聞いてみます。」

「本人がやりたいと言うならサポートします。」

 

というように、本人の気持ちを大切にされていることが伝わってきます。

 

当たり前のことですが、保護者の方とお子さんは別人格です。

 

親御さんにとって「これはチャンスだから、絶対にチャレンジしたほうがいい」ということでも、お子さん自身がやりたがらない時もあります。

 

逆に、「今これをがんばらなくてもいいんじゃないか?」と思うことに、お子さん自身が「やってみたい」と思う場合もありますね。

 

このように、親御さんとお子さんの意見が違うケースはよくあると思います。

その時に、「本人」の気持ちを優先されるご家庭では、習い事や何かに取り組んだことに対して、結果的に長続きしている印象を受けます。

 

自主練に対しても、「本人がやる気を出すまで待つ」というのも、素敵な方針だと思います。

 

習い事など、何かをがんばっていると、必ず挫折や成長の時がやってきます。

 

「今がベストだ!」というタイミングを逃さずに、自主練の提案をしてみてはいかがでしょうか?

 

例えば、

 

「発表会の立ち位置で、センターになれなかった。」

 

逆に、

 

「発表会の立ち位置が、これまで後列だったのに、前列に変わった。」

 

など、習い事をしている中でも、転機は訪れます。

 

その他、

「新しい習い事を始めたい」と言い出した時も、いいきっかけになるでしょう。

 

「これを始めたいなら、家でもこういう練習を続けた方が上達すると思うけど、それもがんばれるかな?」

という声かけをしておくのです。すると、習い事をスタートする時から、「自主練もがんばろう」と意欲的にのぞめると思います。

 

 

 

最後に…

 

ー自主練をする子に育ってほしいー

 

それは、努力できる子に育ってほしいという親心だと思います。

 

努力できる子には、共通点があります。

それは「安心して帰れる場所があること」です。

 

 

当校ではよく、こんなふうにお伝えします。

 

「レッスン中は指導者が責任を持って指導いたします。

子どもたちは精一杯がんばって帰宅しますので、保護者の方は、温かいお風呂とおいしいご飯を、よろしくお願いします。」

 

お迎えに来ていただく保護者の方も

 

「先生の言うことちゃんと聞いた?」

「がんばった?」

 

よりも、

 

「楽しかった?」

「よくがんばったね〜」

 

とお迎えに来てくださる方が多いです。

 

笑顔で見送り、笑顔で迎えてくれる。

 

そして、帰ると安心できる場所がある。

 

だから、がんばれるのです。

 

「がんばってくるんだよ!」と見張るような雰囲気で見送り、レッスン後、「ここができていない」「ここがちがう」などと注意され、帰ってからもがんばらなくてはいけない環境では、子どもたちの安らぎの場がなくなってしまいます。

 

安らぎの場があるからこそ、がんばる力がわき、成長したいと思える。

そのやる気が自主練する心につながると思います。

 

このコラムが、子育てのお悩みのサポートになることを願っております。

 

 

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