校長コラム
2024年4月12日
心配がぐっと解消する入園・入学の3ステップーパパママが我が子のためにできる思いやりー
春を迎え、入園・入学・進級など、新しい生活がスタートする子どもたち。
親御さんは、どんなふうにサポートすることで、安心してお子さんに新生活をスタートさせられるでしょうか?
年間1.4万人が受講する、1歳から高校生までのキッズダンス専門
Ti-ccha(ちっちゃ) KID’S DANCE SCHOOL 校長であり、チャイルドコーチングアドバイザーTi-cchaより、親御さんにできるサポート法をご紹介させていただきます。
▼目次▼
ステップ1 親御さんの心配・不安をお子さんに見せない
新生活が始まる時は、親御さんとしても心配が尽きないものですね。
先生は優しいかな…
お友だちと仲良くできるかな…
クラスになじめるかな…
お子さんも、同じ心配や不安を抱えています。
信頼する親御さんが、自分と同じように心配そうにしていると、お子さんも不安が大きくなってしまいます。
いろいろご心配はあるかと思いますが、その不安は、お子さんの前では見せず、必要があれば、直接園や学校に問い合わせることで解決してみませんか?
親御さんが笑顔で送り出すことができたら、お子さんの不安もきっと和らげられますよ。
ステップ2 違う価値観と出合う日々に寄り添う
入園したら、
お子さんは(一定の時間ですが)親御さんから離れた場所で過ごすことになります。
一番自分を理解し、手を差し伸べてくれた親御さんとの安心な状態から飛び出し、自立する必要に迫られます。
入学したら、
お子さん同士、違う園で過ごした子たちと価値観をすり合わせる作業も必要になるかもしれません。
自分がこれまで「これが正しい。これは間違い」と認識してきたことと、違った価値観に触れるのは、体と共に、心が疲れる日々であるはず。そのことを保護者の方が理解しておくと、お子さんの気持ちはずっと楽になるでしょう。
具体的に、園生活・学校生活のそれぞれを見ていきましょう。
新入園のお子さんの場合
これまでは、いつもおうちの方が寄り添い、遊び場などに出かけていたと思います。
しかし、園生活では親御さんはそばにいません。
例えば遊び時間、自分の使いたいものと、お友だちが使いたいものが重なる場面。
「それ、私(僕)も使いたいから、順番こしよ。」
お子さんは、そんなふうに言えるでしょうか?
言葉がまだ発達段階にある子は、うまく伝えられないかもしれません。
いやな気持ちから、泣いてしまう子、ふさぎ込んでしまう子、叩いて伝える子、いろいろな行動が予測されます。
その日常のすべてに、先生が寄り添い、お友だちとの関係をスムーズに導いてあげることが難しい園もあると思います。
小学校に入学したお子さんの場合
私が20年、子どもたちの指導に関わる中で、入学前に過ごしてきた園には、それぞれ特徴があると感じています。
大規模な園、小規模な園。
その園によって、子どもたちが園児時代に関わってきた人の数には違いがあります。
また、指導の方針にも違いがあります。
お子さんの発想力・集中力を伸ばすために、時には集団行動を優先せずに、その子のやりたいことを優先させる園。
もしくは、日常的に集団での行動を教え、遊び時間と学習や運動の時間をしっかり切り替えてきた園。
注意喚起の方法も、
「厳しく伝える園」、「優しく導くように伝える園」などの違いもあります。
6歳になると、多くのお子さんが自立していきますが、その内側には、3〜6年間それぞれの園で経験してきた生活基盤や価値観があります。
・いやなことがあった時の友だちへの伝え方
・集団行動の経験値
・集中する時間
・体力の違い
・学力の違い
・先生の注意喚起の仕方
さまざまなことが違う者同士、入学後に新しい価値観と出合い、いやな気持ちになること、がまんすること、理解できずに困ってしまうことが増えるかもしれません。
このように、新入園・新入学では体力面の疲れだけではなく、心もかなり疲れている状態である可能性が高いのです。。
ステップ3 帰ってきた時はやすらぎ空間を
前項で述べたように、帰宅後のお子さんは、体だけではなく、心も疲れているはずです。
しかし、親御さんはお子さんがスムーズに新生活が過ごせているか心配で、聞きたいことがいっぱいですよね。とてもわかります!
親御さんから
「楽しかった?」
「今日はどうだった?」
と聞いてみても、お子さんが何も返答しないことはありませんか?
もしくは「楽しかった」と、一言で終わってしまうことはないですか?
心が疲れて、考える頭も疲れているので、何を伝えたらいいかわからず、「返答しない」もしくは「楽しかった」という一言で、親御さんにメッセージを送っているのかもしれません。
でも、このやりとりでは、何かあって困っている場合も、相談に乗ってあげられないですよね。
そこで、こんな会話に変えてみます。
「今日どうだった?」
↓
「先生は優しかった?」
「お友だちと仲良くできた?」
こんなふうに、具体的に聞くのです。
例えば「先生こわかった」と、答えがあった場合は、
「だれかが、やってはダメなことをしたのかな?」
「◯◯が叱られた?」
「お友だちが叱られた?」
などと聞いてみると、
・お子さん自身が何かして、叱られた時にこわかった。
・お友だちが何かして、叱られているのを見てこわかった。
このように状況がわかってきます。
具体的な聞き方は、非常に有効です。
なぜなら、子どもは何かひとつでもいやなことがあると、楽しい部分やいい部分が見えなくなり、全体にいやな感情を持ってしまうことが多いからです。
例えるなら、バケツに透明な水が入っていて、黒い絵の具を一滴垂らした時、透明な部分が見えなくなり、全体が黒く染まってしまうのと同じように…。
親御さんが、客観的&具体的に聞いてあげることで、全部がいやになってしまっていたお子さんの、問題の核心にたどりつくことができます。
こうして、気持ちをうまく聞き出すことで、親御さんとの信頼関係の向上につながります。
そんな時、最大の注意点があります。
それは、問題の核心にたどりついたとしても、親御さんは
「悪口を言わないこと」です。
例えば、先生が叱っていたことが理解できなくても。
お友だちに傷つけられて、お子さんが落ち込んでいたとしても。
なぜなら、親御さんから今見えている問題は、お子さんの言葉から勝手に想像したものに過ぎないからです。
物事には、いろんな視点があり、お子さんから見えた光景のみで判断してしまうと、現実とは少し違うものになるかもしれません。
では、どうしたらいいのでしょうか?
問題が大きくなる前に、親御さんのほうから園や学校にコミュニケーションを取ってみることをおすすめします。
「昨日、我が子が帰宅後落ち込んでいました。何かありましたでしょうか? 本人は、◯◯がいやだったと言っているのですが……」
そこでしっかり対応してくださる園や学校は、安心できると思いますよ。
親御さんが安心できると、お子さんを笑顔で送り出してあげられますよね。
その笑顔こそ、お子さんにとっては一番大切な安心材料なんです。
もし先方からいやな対応が返ってきた場合は、伝え方が「状況の確認」ではなく、「クレーム」になっていないか、振り返っていただくことも大切だと思います。
「うちの子が泣いて帰ってきたけど、どうなっているんだ!」
これはクレームです。
「帰宅後、子どもが泣いていたのですが、何かありましたか?」
これは状況の確認です。
お相手も人間ですから、感情があります。
いきなり感情的に不満を伝えられると身構えてしまいます。
しかし、心配事があると冷静に伝えられると、先生側も良好な関係作りにつとめてくださると思いますよ。
お子さんにとっての安らぎ空間とは、おうちのかたが自分の話を冷静に聞いてくれる状態であること。そして、何かあれば、まだ問題解決力がないお子さんに代わって、園や学校と、親御さんが良好なコミュニケーションを取って、味方になってくれることです。
そして、親御さんが笑顔で毎日「いってらっしゃい」と送り出してくれることが、お子さんにとって一番の元気につながると思いますよ。
番外編 4月スムーズでも5月にぐずる場合も!
お子さんの行き渋りの時期によって、理由が違う場合があります。
4月は、新しい生活への不安です。
先に述べたように、これまでとは違う価値観の人と過ごすことで、心が疲れて、日々がんばる元気が出ないこともあります。
一方、4月は順調だったのに、5月になって、園や学校に行きたがらなくなることもあります。
それは、新生活への期待が落ち着いてきたころに訪れるゴールデンウイークで、家での居心地の良さや休日の楽しさから、新生活に戻りたくなくなる、ということがあるからです。
これは、園児のお子さんに多いかもしれません。
ぜひ問題解決をしたいと思われた場合は、
このコラムの
「園への「行き渋り」で知っておきたいこと17~登園拒否の本当の理由は」
https://www.ti-ccha.com/blog/508/
をご参考になさってくださいね。
新生活のスタートには、大人でも勇気がいりますよね。
お子さんなら、大人以上に勇気を出して、新生活に飛び込んでいる状況です。
送り出す時には、親御さんの笑顔でパワーを届け、帰宅後は、お子さんの味方となり、じっくり話を聞いてあげられる安心な環境を作ってあげると、お子さんは心を強く持てることでしょう。
親御さんの中には、お仕事が忙しくて、そんな余裕がないという方もいらっしゃると思います。
でも、こうしてコラムに目を通してくださっているのは、きっとお子さんを大事に思っている親御さんです。
ここでお伝えした行動が、すべてできなくても大丈夫です!
お子さんの新生活について、どんなサポートが必要なのか、知っているのと知らないのとでは、大違いです。
もし「できること、どれかひとつだけ試してみよう!」と思われたら、
ー笑顔で送り出すー
これだけでも、お子さんの心が元気になれますので、試してみてくださいね。
このコラムと出合ってくださったご家族が、新生活を体も心も元気に過ごせることを、心から願っています!
✴︎校長 取材いただきました✴︎
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