校長コラム
2024年7月12日
必ず知っておきたい5つの秘訣! 運動神経は日常生活で伸ばせる!
「うちの子、運動神経が悪くて……」
と、ダンススクールにお越しになられる方々は、年間を通して非常に多いです。
運動神経は、よくなくても大人になれますし、親御さんご自身が運動面で特に困らず大人になられた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くの方が我が子の運動神経や運動能力を向上させたいと思っていらっしゃる。
それはなぜなのでしょうか?
運動神経とは、脳と体を連動させて、複合的に体を動かす能力です。運動神経が発達していると、反応速度や動きの正確さが向上し、総合的な運動能力が上がります。
「運動神経のいい子は頭もいい」
という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
学生であれば、黒板を見てノートに写しながら先生の話を聞き、その時間の課題に思考をめぐらせつつこなしていくという、複合的な作業が得意なことが、「運動神経のよさ=頭のよさ」に関係していると私は考えています。
当校では、さまざまな子どもたちの運動神経を鍛え、伸ばしてきました。
年間1.4万人が受講する、1歳から高校生までのキッズダンス専門 Ti-ccha(ちっちゃ) KID’S DANCE SCHOOL 校長であり、チャイルドコーチングアドバイザー&上級心理カウンセラーTi-cchaより、子どもの運動神経や運動能力を向上させる秘訣について、ご紹介させていただきます。
▼目次▼
秘訣その1 「見てから動く子」はそっと見守る
運動経験が豊富な親御さんは「ほら、動いてみないとできないよ」とお声がけされる方が多いです。
それは正解なのですが、実はお子さんの性格や特性によっては、まずは観察をして、頭の中で理解してからでないと動くのが難しい場合があります。
子どもたちは、脳も体も発達段階です。
ですから、「その動きは、どこをどう動かしているの?」と観察だけに集中して、理解してから動きたいお子さんがいるのです。
この状態の時には、親御さんは「消極的だ」などと思わずに、笑顔で寄り添ってあげてくださいね。
例えば、「今、手が動いているね」「膝がしっかり曲がっているね」など、お子さんが頭の中で感じているであろう様子を、言語化してあげるのもいいかもしれません。
でも、観察する時間を静かに過ごさせてあげることも、素敵なサポートです。
静かに寄り添う場合は、「体を動かすのは楽しいことだ」とお子さんが前向きになれるように、親御さんが笑顔でいることが大切。
「これは楽しいことなんだ!」とお子さんが感じやすくなります。
ご安心ください。
成長とともに、体を動かしながら観察ができるようになります。
最初の段階は、
「観察だけ→できるどうか心の準備→やってみる」
というタイプのお子さんも、だんだんと、
「観察しながらやってみる」ということができるようになります。
「やってみないとわからないでしょ」
「うちの子は消極的だわ」
と、マイナスな言葉をかけて、お子さんの自己肯定感を下げるのではなく、その瞬間、運動しようと向き合っているお子さんの心に寄り添って、プラス思考で見守ってあげてくださいね。
秘訣その2 公園遊びで運動神経を伸ばす
子どもたちの能力を伸ばすには、「好奇心」が何より大切だと私は考えています。
公園には、お子さんの好奇心をかきたてるものがいっぱい!
ぜひ、自由にいろいろな遊具で遊ばせてあげてくださいね。
小さいころから運動神経がいいお子さんに、日常どう過ごしているかを聞くと、多くの保護者の方が「よく公園で遊んでいます」と話されます。
代表的な遊具で、どんな部分が鍛えられ、運動能力が向上するかをご紹介させていただきますね。
・滑り台
階段を登る時に、足を上げますよね。
足全体の筋力向上はもちろんなのですが、腸腰筋と言って、足を動かす根っこにあたる部分の筋肉も向上します。
速く走る時に、この腸腰筋が上手く使えるか、筋肉が鍛えられているかによって、運動能力が変わってきます。
また滑り台で滑っている時には、上半身のバランスを取りながら体幹も鍛えることになります。
・ブランコ
とても高度な体の使い方を身につけることができます。
自分で動かないと、ブランコが動かないので、創意工夫が必要です。
体の重心を変えてみたり、足でバランスをとってみたり、とてもいい運動になります。
自分でうまく体をコントロールできるようになると、ブランコを大きくこげるので、お子さんの達成感にもつながりやすいです。
その他、地面に輪っかを書いて、ケンケンパをしてみるのもおすすめです。
ケンケンの足を、右にしたり左にしたり、両足を使うことで、左右の筋肉をバランスよく鍛えることができます。
利き足の方がうまく動かせるお子さんが多いと思うので、「次は、反対の足でやってみよう!」と声をかけると、左右の筋肉バランスが整い、将来的に左右の体のバランスもよくなります。
ケンケンの状態から、足をパーの形にするのが難しい子もいます。
このような遊びを通じて、体をうまくコントロールする土台を育てていけます。
秘訣その3 家の中をアスレチックに
公園に行ったり、習い事をして体を動かすのも素敵なことですが、実は家の中でできることもたくさんあります。
お子さんのおもちゃですが、すぐ手の届くところに置いていないですか?
実はその時点で、運動神経を鍛えるチャンスを減らしています。
我が家では、大好きなおもちゃほど、あえて高い場所に置いていました。
ちょうど、背伸びをしなくては取れない場所が理想です。
遊びたいからこそ、お子さんは必死に背伸びをしておもちゃを取ろうとすると思います。
また、家の中だと、裸足でいることも多いと思います。
この「裸足の状態で背伸びをすること」が、運動神経を発達させるのにとてもいい行動なんです。
20年以上、キッズダンスを指導していて強く感じることですが、足の裏をうまく使えないと、運動神経はよくなっていきません。
その理由をくわしくご紹介しますね。
ヨチヨチ歩きの頃は、まだ足がぷっくり丸いですよね。
そして、歩く経験とともに、足の甲がほっそりし、土踏まずができていきます。
この時期に、いかに足の裏を使って体を動かすかは、運動能力の発達に大きく影響します。
足の裏は、運動している時に体を支えている場所であり、体を動かす時にけり出したり、ジャンプをしたり、行動の起点になる場所です。
意外かもしれませんが、足の裏は、簡単に鍛えられる部分なんです。
ここでご紹介するトレーニングを、ぜひお子さんと一緒にやってみてください。
しっかり歩けるようになったころから↓
・足の間にボールを挟んでジャンプ(タオルでもOK)
両足の間に何かを挟むことで、ひざがうまく使えない状態になります。
ひざを使う代わりに、足の裏を押し出してジャンプをすることで足の裏を鍛える、というトレーニング方法です。
速く走ったり、高く飛んだりといった運動能力の向上に、とてもおすすめです。
おおよそ年少さんくらいから↓
・足の指でグーチョキパー
https://www.instagram.com/reel/CyBDBb6yX2z/?igsh=MWZ1c29oNm5wcjZtMQ==
当校に通ってくれているお子さんの中で、足の指を使ったグーチョキパーが最初からできる子は、ほとんどいません。
練習していくうちにできるようになり、その頃には、体幹がしっかりしてきます。
足の裏でしっかり支えられるので、体が安定してくるのです。
それから、マスキングテープなどで、床に1本線を引いておくだけでも、想像力豊かな子どもたちは、それを橋に見立てて平均台のように渡ったりします。
他にも、線の上をグーパージャンプしながら進んでいくのも楽しいですし、公園に行かなくても、いろいろな遊びを通じてトレーニングすることができます。
秘訣その4 運動神経は必ず伸ばせる
大前提として、赤ちゃんの頃や歩けるようになった当初は、運動神経がまだ発達していないと考えましょう。
そこからどんな経験をするかによって、運動神経が発達していきます。
親御さんご自身が運動が得意なら、ご自身の経験からお子さんに教えてあげられる方もいらっしゃるでしょう。
一方で、苦手だった親御さんは、「我が子は運動を得意にしてあげたいが、何をどうしたらいいのだろう」と思われるかもしれません。
その際、「自分の子だし、運動はできないだろうな……」と、最初からあきらめなくて大丈夫ですよ!
子どもたちの可能性は無限大なのです!
体を動かすさまざまな経験のたびに、運動能力は向上していきます。
その経験を可能な限りたくさんさせてあげることこそ、親御さんにできるサポートだと思います。
運動の経験数と密接な関わりがある、子育てアイテムについてお伝えしますね。
さて、ここで質問です。
小さいお子さんの移動に欠かせないベビーカーですが、いつまで使うか、使用期間を決めていますか?
この「ベビーカーの使用期間」は、お子さんの運動神経に関わるポイントの1つだと思っています。
我が家の場合は、年少になるまでと決めていました。
べビーカーなしでお出かけに行くとすると、帰宅まで歩ける力もつけておかないといけません。
そのための準備段階として、いろいろなことをやってみます。
「近くのスーパーまでは、ベビーカーに乗せずに歩いてみよう。」
「歩ける時間をだんだん増やしていこう。」
体力がつくような生活を、自然と心がけるようになります。
ただし、まだ他の子はベビーカーに乗っている年齢だったり、乗ってくれている方が楽だったりと、ベビーカーの卒業はそれほど簡単ではありません。
親御さん1人で出かける場合はベビーカーを使用して、大人2人以上で余裕がある時は、思い切って使用しないで過ごしてみるという方法もあります。
「運動神経を伸ばしたい」と願う気持ちがあるならば、このようなベビーカーの使用期間についても、前もって考えておきたいところです。
その他、スニーカーの選び方にも、注意が必要です。
先ほど述べた通り、足の裏を使うことは、運動能力に非常に大きく関係します。
足の裏がうまく使えるようになると、ふくらはぎの筋力が発達してきます。
そして、ひざの曲げ伸ばしをしっかり行えるようになり、太ももの筋力アップにつながります。
筋肉は連携して発達していくのです。
そのスタート地点である足の裏を、うまく使えないようなスニーカーもあります。
それは、厚底で、背伸びの状態が作れないスニーカーです。
日常生活で使用するスニーカーを購入される際は、ソールの柔らかさとともに、
「背伸びができるか?」
「歩く時・走る時、足をけり出せるか?」
なども確認されることをおすすめします。
長年多くのお子さんを指導してきましたが、中には、ソールの分厚いスニーカーを多用して、足の裏を使わずに大きくなった子もいます。
そんな子たちには、中学生・高校生でも足の筋肉が少なく、下半身の動きが弱い子が多いです。
「たかがスニーカーの選び方でそんなに?」と思われるかもしれませんが、深くしゃがんで高くジャンプできなかったり、足を前に大きくけり出す力が弱かったり、運動神経に関係することは少なくないのです。
秘訣その5 「運動神経がいい子」のメリット
運動神経は、ほんの少しの工夫で鍛えられます。
そして、運動神経のいいお子さんが得られるメリットとして、「多くの成功体験の経験」というものがあります。
「速く走れた」
「高く飛べた」
「かけっこで1位になった」
そんな成功体験は「自信」につながります。
自信は、いろいろなことにチャレンジしていく勇気になります。
よって、運動神経がいいお子さんは、性格が明るくなったり、活発になったりしていきます。
また、運動神経のいいお子さんは、勉強面においても優秀である傾向があります。
それは、複合的に体を使ってきた経験が豊富なためだと考えられます。
先生の話を聞きながら、ノートに書いて、理解を深める。
そして同時に、指示された課題をこなしていく。
小学校に入学すると、授業中にいろいろな作業を同時進行する生活が始まります。
その時期を迎えるまでに、ぜひ、ここでご紹介した方法を試していただき、お子さんが楽しく運動できるように導いていかれるのはいかがでしょうか?
このコラムと出合ってくださったご家族に笑顔が増えることを、心より願っております。
✴︎校長 取材いただきました✴︎
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