校長コラム
2024年10月11日
人生に必要な力が身に付く習い事「ダンス」
近年の子育てでは、習い事によって、学校では得られない能力を身につけようとお考えのご家庭も多いのではないでしょうか?
習い事探しでは「いつから?」「どんな能力を身につければいい?」「どんな習い事をすればいい?」と、一度はお悩みになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
年間1.4万人が受講する、1歳から高校生までのキッズダンス専門 Ti-ccha(ちっちゃ) KID’S DANCE SCHOOL 校長であり、チャイルドコーチングアドバイザー&上級心理カウンセラーTi-cchaより、ダンスを習ったら、将来に向けてどんなメリットがあるのかご紹介させていただきますね。
▼目次▼
その1「集中力が身につく」
生きていく上で「何かを覚えて、思考をめぐらせ、答えを導き出す」という行為は必要不可欠になります。そのために必要なのが、ひとつの物事に意識を集中させる能力、いわゆる集中力です。
当校でも「うちの子、集中力がなくて」と、お悩みを持ってご入会される方が多くいらっしゃいます。
なぜお子さんに集中力がないと感じるのでしょうか?
その答えは…「好奇心旺盛だから」。
私はこのように考えています。
目の前にあるさまざまなものに、好奇心が向けられているのです。
私流の表現をすると「好奇心旺盛なことに集中している」状態なのですが、一般的には集中力とは「ひとつの物事にじっと取り組む力」と捉えている方が多いので、思考がさまざまなところを巡っている状態では「集中力がない」と感じられるのだと思います。
それでは、好奇心旺盛な子ども時代に、どうやって集中力をつけるといいのでしょうか?
これは、当校で多くの成功体験を獲得している方法ですが、非常にシンプルです。
それは「楽しむこと」です。
好奇心が向く気持ちの先を「ダンスに集約させる」のです。
好奇心旺盛なお子さんの中には、ひとつのところに留まることが苦手な子も多いので、動きながら、その物事に集中する状態は「好奇心旺盛&活発に動きたい」そんなお子さんの特性にもピッタリです。
さて、ここで生まれる疑問として、「ダンスに集中できたとしても、例えば勉強など、じっとその場に止まって集中することはできないままではないか?」という点ですね。
机に向かい、じっと同じ姿勢を取り続ける勉強という行為は、実は体力や筋力を使うものです。
体力も筋力もないお子さんだと、座って勉強することに疲れて、集中力がもたなくなることもあります。
ダンスで体を動かす楽しい時間の中、夢中になってレッスンをしていくうちに、1時間や1時間半、1レッスンを続けられるようになってくると、集中力・体力・筋力向上の相乗効果で、さまざまな場面で集中力が伸びていく傾向にあります。
その2「運動神経が発達する」
ダンスを習うと、「運動神経がよくなりそう」とイメージされる方も多いのではないでしょうか?
正解です!
ダンスという習い事は、レッスンのベースが「先生の様子を見てまねる」という動作を行います。
運動神経のいい子は、見本に対して「見てまねる」能力が高いのです。
しかし、すぐにまねができるわけではありませんよね。
なぜできないかというと、筋力がないことや、その体の動かし方に対して、経験がないからです。
例えば「サイドステップ」。
ダンスをしている人からすると、とても簡単な左右の移動です。
しかし、ダンスを習いたての人からすると、とても難しく感じることがあります。
それはなぜかというと、左右の移動の運動経験が少ないので、体重移動が難しいからです。
ダンスは、いろいろな体の動かし方を、音に合わせて楽しく身につけていきます。
左右に移動するには、体重移動をどのように行うか?
足を高く上げるには、どの筋肉を使うか?
早いステップのときは、重心をどこに置いて素早く動くか?
このような複合的な体の動かし方と、脳の神経回路を同時に発達させていくのがダンスなのです。
「うちの子、運動神経が悪くて」とお悩みを持ちながら、当校にお越しいただくことがあります。
しかしよく見ると、運動神経が悪いのではなく、「元気いっぱいで筋肉はしっかりついているのに、体と脳をうまく連動させる経験が少ないようだ」とか、「器用に体を動かすことは得意なのに、筋力が伴っていないようだ」など、それぞれの子の改善ポイントはさまざまだったりします。
体と脳の神経回路を楽しく発達させることができるダンスは、その点において、運動の経験値を一気に上げて、運動神経を良くし、運動面での成功体験を増やしていくことが可能になります。
成功体験は、自己肯定感にもつながり、お子さんの人生を前向きに進める力につながります。
その3「表現力が身につく」
子どもたちは、園や学校に通いながら、知識や学力など、さまざまなことを身につけていきます。
そして、大人になると、多くの人が、面接など人前で話す機会を経て、仕事に就くと思います。
例えばその時に、自分自身をうまく表現できないと、どうなるのでしょうか?
せっかく自分が築いてきた能力を相手にうまく伝えることができず、やりたい仕事ができないかもしません。
園や学校でもさまざまな発表の場を通じて、将来に生かせる力を身につけられますが、人前が得意な子もいれば、苦手な子もいます。
苦手な子は、そのような発表の場を、できるだけ避けて卒業していくこともあるでしょう。
反面、ダンスは常に人前に立ち、自分を表現する習い事です。
ダンスレッスンでは、常に鏡を見て、自分を良くしようと努力することになります。
ステージの本番などでは、多くの人たちの前で、自分が練習してきたことを披露する機会になります。
当校には、「人前が苦手だけれども、ダンスは好き」とご入会された方々も多くいらっしゃいますが、その人たち、どうなったと思いますか?
レッスンで初めて人前で披露する時、緊張が強すぎて、いつも通りにできない子もいます。
特に人前が苦手な場合は、泣き出す子もいます。
でも何度も何度も「練習する→披露する」その繰り返しをしていくことで、慣れてきます。
例えば幼少期、ハイハイからヨチヨチ歩きになり、さらに毎日歩いていれば、いずれ走れるようになります。
おはしだって、だれもが初めからスムーズに持ってご飯を食べられたわけではありませんよね?
そんなふうに、ダンスを習うと人前に立つことが生活の一部となり、徐々に慣れていきます。そして、最初より緊張せずにできるようになっていきます。
このようにダンスは、人前に立つ経験をたくさん得られる習い事です。
スクールにもよりますが、当校の場合は、多くのクラスで毎回レッスンごとに、他の子の前で踊る練習をしています。
そして、年に数回本番のステージにに立ったり、オーディションを受けて合格して、さらに大きなステージに立つ経験をしたりする子もいます。
数千人も収容する大きなホールで踊る時も「緊張しない」という子もいるほどです。
そんな子は、言葉で伝える面接にも強く、人前で表情豊かに自分を表現することが得意です。
人生の大切な局面で自己アピールをする際の度胸や表現力は、ダンスを通じて身につけることができるのです。
その4「協調性が育つ」
生まれてからずっと、だれとも接することなく生きていく人はゼロだと思います。
家族と生活したり、園や学校で先生やお友だちと接したり、人はだれかと共に生きていきます。
仕事を始めれば、だれかと協力して進めるケースも出てくるでしょう。
そんな時に必要な力が「協調性」です。
自分以外のだれかと共に、協力して力を発揮していく。
その力を身につけることは、人生において大きな財産になります。
例えば学生時代に、体育祭や文化祭で、仲間と協力して準備や練習を行ったとします。
無事に成功させられたら、1人で成し遂げた時より、より一層大きな達成感を得る人が多いのではないでしょうか。
仕事でも、家事の場面においても、1人でできることには限界があるものです。
自分以外の人たちと協力することで、より円滑に進めることが可能になるでしょう。
このように「協調性」のメリットはわかっていても、なかなか家庭で育むのが難しいものでもあります。
ではどのようにして「協調性」を育むといいのでしょうか?
まずは、コミュニケーションから始まります。
しかし、なぜ、身体表現であるダンスにおいて、コミュニケーションが「協調性」に関係してくるのでしょうか?
例を挙げてご紹介しますね。
ダンスは、わからないところがあると、明確に踊れないという現象が起きます。
すると、先生との会話が生まれます。
「難しい? どこがわからない?」
そして、自分自身の今の状況を伝える練習をすることになるのです。
次のステップは、仲間との会話です。
ダンススクールの多くで、日ごろの成果発表の場として、発表会が行われます。
すると、同じクラスのみんなと、練習で振り付けを揃えていくことになります。
人との会話が苦手な子でも、同じクラスのみんなと同じ動きをすることは難しくないと感じる子が多いです。
同じ振り付けを何度も合わせていく中で、「ここ、一緒に練習してみよう」という輪ができることも少なくありません。
立ち位置が近い人同士や、そのクラスの年上の人がまわりに呼びかけるなど、振り付けというツールを通じて一緒に練習するようになり、その中で、コミュニケーションが生まれます。
「何か話して」と言われたら何を話していいかわからない子でも、振り付けを通じた会話になると「ここが難しい。もう少しゆっくり教えてほしい」など、意志の疎通をしながら、一緒に練習の時間を持つようになります。
そして練習の成果として、本番でステージに立ち、息の合った作品を披露すると、お客さんから拍手をもらい、大きな達成感につながります。
1人で何かを仕上げるのとはまた違う、大きな達成感。
一度経験すると、「みんなとやることができて、よかった」という成功体験になります。
この成功体験こそが「協調性」を育むことにつながります。
成功体験を得られると、自信がつきます。
するとダンスレッスンの仲間以外でも、どんなふうにみんなとがんばればうまく進められるかわかってくるので、自分から声をかけることができるようになります。
みんなと物事を進める経験が増えると、相手を受け入れる力も大きくなり、困っている人・不安な人に、自分から声をかけるような思いやりも育ちます。
このように、複数人と一緒に作品を仕上げるダンスは、その過程において「協調性」を身につけやすい習い事なのです。
まとめ
ーダンスは複合的に能力を身につけられる習い事ー
これまでに述べてきた通り、「集中力」「運動神経」「表現力」「協調性」など、いろいろな能力が身につくのがダンスという習い事です。
その他にも、ダンスで身につくのは「リズム感」とお考えの方もいらっしゃると思います。
「リズム感」があると、人生にどう役立つのでしょうか?
運動に役立つ人もいますが、テンポを必要としないスポーツにおいて、必ずしもリズム感が必要なわけではありません。
生活においても、リズム感がなくても生活はしていけます。
ではなぜ「リズム感があるといい」という考えが世の中にあるかというと、私は、「複合的な能力」が重要だからだと思います。
リズム感がいい人は、
・音を聴く
・脳までリズムを届ける神経回路が発達している
・体でそれを表現する
このようなことが体に起きています。
聴く・見る・動く
人間の基本動作を、うまく連携させて行動できるのが、リズム感のいい人の特徴です。
うまく体が連携して動くということは、神経回路もしっかり発達しているということでしょう。
実は、リズム感がいいと勉強にも役立ちます。
小学校1年から高校3年までなら12年間、大学4年までなら16年間、
「先生の話を聞きながら、ノートに書き、問題を解いていく」という作業をこなすことになります。
学校での勉強は、複合的に連携して体を動かすことを求められているのです。
一見、対照的な「勉強とダンス」ですが、実は、運動神経など体の能力に関係する部分以外も、ダンスで身につく力はあらゆることに役立ちます。
ダンスは、人生に必要な力が身につく習い事。
いわゆる「生きる力」につながるものなのです。
この考え方のもと、2012年より、中学校の体育でダンスが必修となりました。
このコラムを通じて、ダンスの魅力が伝わり、ダンスに興味を持っていただけると幸いです。
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