校長コラム
2023年10月22日
子どもの習い事 ダンスを始める5つのメリット
お子さんの成長や将来のため、学校以外にも経験を……と習い事をお探しになる保護者の方は多いと思います。
年間1.2万人が受講する、1歳から高校生までのキッズダンス専門
Ti-ccha(ちっちゃ) KID’S DANCE SCHOOL 校長であり、チャイルドコーチングアドバイザーTi-cchaより「ダンスってどうなの?」という目線でご紹介させていただきます。
まずは、みなさんご存知の方も多いと思いますが、2012年より中学校保健体育でダンスが必修となりました。
それは、ダンスの習得によって、「運動能力の向上と共に、生きる力が身につく」と考えられているからなんです。
皆さんは、ダンスが「生きる力」とどのように関係すると思われますか?
ここでは、ダンスを習うことで得られる、5つのメリットについてご紹介していきますね。
メリット1 総合的な神経の発達
ダンスの習い事は、一般の方からすると簡単で楽しいだけの習い事と思われがちですが、実は体のあちこちを連携させる、高度な動きを伴うものなのです。
ダンス中の身体は、
- 目:先生を見て動きをまねる。
- 耳:音楽を聴いてリズムと共に体を動かす。
- 脳:見たものを、耳から聴こえる音楽に合わせて動かすために、体中に司令を出す。
- 体:脳からの司令で体全体をタイミングよく動かす。
このように見ると、目も耳も脳も連携させて体を動かすダンスという習い事の奥深さを、少し理解していただけるのではないでしょうか?
当校に初めて来られるお子さんの中には、見たことをそのまま表現することが苦手な子もいます。
そんなお子さんに対して、「この子、運動神経が悪くて……」「どんくさくて……」などと表現される親御さんもいらっしゃるかもしれませんね。
これまで多くのお子さんの指導に携わってきた私からすると、それは、まだ神経が発達していないだけで、目と耳を使って体を動かす経験を増やせば、その苦手は得意に変換させることができると考えております。
メリット2 運動神経の発達
お子さんの運動神経を発達させるために、習い事をスタートされる方も多いと思います。
運動神経がいい子とは、一般的には次のような特性を持つと言われます。
- 見る力がある子
- 見たことを、体現する神経が発達している子
- 筋力がある子
- 向上心がある子
生まれつきこうした特性を持つ子もいますが、このような力は練習で伸ばすこともできます。
「見てまねる」習い事であるダンスは、運動神経の向上を目指せる習い事とも言えるでしょう。
当校は、低年齢のお子さんの指導経験が非常に豊富です。
当校に体験に来られた未就園児のお子さんの中には、まわりの様子をじーっと見たまま、動かないお子さんもいらっしゃいます。
そんな時は
「今、お子さんは、目で見て覚えています。やってみようと無理に動かそうとせず、まずは、お子さんが見ているものに対して『楽しそうだね』などと肯定的な言葉をかけながら、隣にいてあげてくださいね」と、保護者の方にお話しします。
小さなお子さんほど、
- まずは見る
- できそうか難しそうか観察する
- やってみる→成功体験
この3ステップを、一つずつ経験していくことが大切です。
この一連の経験を、何度も重ねることで、成功体験も増えていき、次第に、①②③が同時にできるようになります。
そして繰り返しの経験で、筋力・体力がついていきます。
一方で、筋力・体力の向上のため、水泳(スイミング)や体操を習い事に選ばれる方も多いと思います。
左右を対称に使うスポーツである水泳は、体にとてもいい筋肉がつきますし、体の使い方を基本から身につけられる体操も、運動神経の発達にとてもいいと思います。
運動系の習い事を始めたいと思った時に、水泳や体操とダンスとの違いは、「運動能力が身につく」プラス、「耳で聴いた音楽を体の動きに反映させる」という点です。
視覚や聴覚も使いながら、総合的な力を楽しく伸ばせる習い事として、ダンスはとてもおすすめなのです。
メリット3 コミュニケーション能力の向上
ダンススタジオでは、基本的に、先生と数名の生徒たちで一緒にレッスンを行います。
その時間の中では、自然と集団行動を経験していきます。
また、ダンススクールによっては、世代を超えた交流を経験したり、年下の子たちとの関わりで思いやりの心を養うことも期待できます。
学校生活はもちろん、社会人になってからも、人とコミュニケーションを取らずに生活する人は、非常に少ないでしょう。
お子さんたちの多くは、園生活・学校生活で、多くの他人とふれ合い、コミュニケーション能力を獲得していきます。
そして、新しく入ってくる子を迎え入れたり、自分が新しいクラスに入ったりすることで、習い事をしていない子よりは、多くのコミュニケーションの機会を得られます。
また、勉強系・スイミングなど、個人で進めていく習い事と違い、ダンスでは本番に向けて「みんなで振り付けを合わせる」という経験ができます。
ふだんからコミュニケーションが多いクラスは、作品の一体感が違ったり、アイコンタクトが多かったりもします。
すると、コミュニケーションから生まれたプラスの感情も、多く経験できることになるのです。
メリット4 達成感の経験
習い事で得られる「達成感」はさまざまだと思います。
サッカーの試合に勝った。
水泳教室で昇級した。
塾の成績が上がった。
……など、いろいろな達成感があると思います。
一方、ダンスではどうでしょうか?
ダンスでの達成感は、発表会や大会などの本番で感じられることが多いと思います。
日頃の練習の成果を、ステージで照明を浴びながら披露し、お客さんから拍手をいただく。
「楽しいな〜」
「これまでがんばってきてよかった〜」
特別な1日に、このような達成感を持つ子は多いでしょう。
人の成長において、達成感は非常に大切です。
「がんばってきてよかった!」
この感情は、努力を積み重ねる経験をした子だけが味わえるもの。
さらに、ダンスの習い事は、1人ではなく、発表会に出演した仲間と一緒に達成感や感動を共有する経験ができるのです。
メリット5 自己表現の向上
日本人は諸外国に比べて、自己表現が苦手だと言われることが多いです。
私自身もニューヨークでのダンス留学時代、自分は我が強い人間だと思っていたのに、海外では何も表現できない人間だと痛感した経験があります。
この自己表現力は、社会で生きていくにあたり、
- 就職面接
- 仕事の商談
- 接客
など、さまざまなビジネスシーンにおいて、必要とされることが多いと思います。
とはいえ、ダンスは言葉を必要としない習い事ですよね。
なぜ、自己表現力が上がるのでしょうか?
運動系の習い事で、力を発揮する場所といえば、試合ですね。
個人あるいは、チームで、練習してきた力を発揮する。
勝つ時もあれば、負ける時もあり、どちらの結果でもお子さんにとって、かけがえのない経験になることでしょう。
ダンスの場合はどうでしょう?
ダンスの習い事において、日頃の練習の成果を発揮するのは、イベントの本番や、発表会のステージです。
目の前に、多くのお客さまがいて、覚えてきたダンスを披露します。
ダンスを始めたてのころは「覚えて練習してきたことを、精一杯披露しよう」と、踊ることだけで精一杯の時代もあるかもしれません。
しかし、数年続けていくと、「どう表現しよう?」「この曲にはどんな意味があるのだろう?」「どんな感情で踊る作品だろう?」と、心も動かしてダンスを踊るようになります。
インストラクターにもよりますが、踊る時に「作品で届けたい想い」を指導するケースもあります。
低年齢の場合でも、例えば、
「元気いっぱいに踊って、お客さんを笑顔にしよう」など。当校でも、このような気持ちで踊る子たちが多いです。
私が担当する園児クラスの生徒には、こんな風に伝えることもあります。
「みんなが上手になったところを見られたら、おうちの人は、とってもうれしい気持ちになるよ。暑い日も寒い日も、こうしてダンスに送ってもらえているから、みんなダンスがんばれているよね。ありがとう!の気持ちで踊ろうね。」
こう伝えるだけでも、子どもたちの心に感謝の気持ちが宿り、踊りが変わります。
作品で伝えたいテーマをイメージしながら、大勢のお客さんの前で表現する。
努力を評価され、目の前の方が笑顔になり、拍手をもらえる。
そのような経験を重ねると、自己肯定感も高くなり、自分に自信を持てるようになります。
そして、受験・就職活動での面接など、自分を表現する大切なシーンで、これまでのダンスの習い事での経験が強い心を育て、度胸につながり、自分の本来の力を発揮できた子たちを多く見てきました。
ここまで、ダンスの習い事のメリットとして5点お伝えさせていただきました。
では最後に、
「実際、何歳から始めるのがいいの?」
という点についての私の考えです。
当校は、1歳からのダンススクールなので、このように言えるのですが、始めるのはズバリ!
「1歳から」
がおすすめです。
歩けるようになっていたら、0歳児でスタートされても大丈夫です!
ー三子の魂100までもー
と言いますが、3歳までの考え方や行動、生活で経験したことは、生涯その人の土台になると言われています。
1〜3歳のころは、日々成長が目覚ましく、経験した分、吸収して成長につながっていきます。
私はダンススクールの校長として、たくさんのお子さんと会う機会が多いですが、
1歳のよちよち歩きの時、「どれだけ公園で遊んだか」「自分で歩く機会が多かったか」「抱っこが多かったか」で、2歳の時の運動能力に差があるように思います。
すると、できること、できないことに差が出てきます。
性格が形成されていく時期において、「できない」ことの経験が多くなりすぎると、「できた」という成功体験を減らしてしまうことになりかねません。
成功体験の多さは「自信」につながります。
できるだけ小さいうちに「できた!!」という、成功体験を増やしてあげることで、大きくなってから、もし「できない」ことに直面しても、「まずはやってみよう」という積極性につなげられると思います。
また、6歳までは、運動神経発達の大切な時期でもあります。
当校での経験談ですが、1〜3歳の時期にダンスを始めていたお子さんは、年長さんごろには、小学生レベルまで技術がアップしていることが多いです。
すると、運動神経がさらにグッと発達する小学校高学年時期には、かなり高いレベルまで到達する子が多くなります。
このような子たちは、自分に自信を持っている子が多く、ダンス・運動だけではなく、勉強や学校生活においても非常に前向きで、学年代表や委員会活動に積極的に関わっている子も多く見られるようです。
お近くに1歳からの習い事がない方は、公園遊びでも、おうち遊びでも、「できた」という経験を増やしてあげると、小さなころからダンスを始めるのと同じような効果が期待できるかもしれません。
これをご覧頂いた方の中には、「大きくなってからダンスを始めるのでは遅いのか……」と思われる方もいるかもしれませんが、ご安心ください!!
お子さんが興味を持ったタイミングで始めるということは、やる気がピークの時のスタートになります。
お子さんにとって、「やる気」は非常に重要なことです。
向上心に直接的につながり、ダンスで得られる5つのメリットを最大限吸収するのに、ベストなタイミングだと思いますよ!
ダンスは、さまざまな効果をもたらしながら、子どもたちの運動神経の発達だけではなく、生きる力につながるということをご紹介させていただきました。
子どもの可能性は無限大です!
一つ一つの経験を通して、お子さんの人生が輝きますように……。