校長コラム
2023年12月22日
怒りっぽい自分がいやになる!~子育て期のイライラとの上手なつきあい方
子育て中「こんなに怒りっぽい自分じゃなかったのに」と感じたことはないですか?
思い描いていた優しい親になれず、思い通りにいかない子育てでイライラすることばかり。
そんな感情とどうつき合ったらいいのか……。
年間1.2万人が受講する、1歳から高校生までのキッズダンス専門
Ti-ccha(ちっちゃ) KID’S DANCE SCHOOL 校長であり、チャイルドコーチングアドバイザーTi-cchaより、主に、幼少期のお子さんを子育て中のイライラとのつき合い方をご紹介させていただきます。
▼イライラとのつき合い方▼
イライラの原因は?
はじめての子育てに多いことですが、思ったように物事が進まず、そのストレスから感情的になってしまったことってありませんか?
出かけようと思ったら、グズグズ発動!
靴をはいてくれない。あれはいや! これもいや!
スーパーに行くと、「これ買ってくれないといやだ! これがほしい!」
公園に行くと「まだ帰りたくない!」
お子さんの感情とつき合うのは、本当に大変ですよね。
しかし、親御さんはやることがいっぱい!
時間通りに動いてくれないと、ちょっとそこのスーパーに行くだけで、すごく時間がかかります。
早く帰って家事をこなしたくて、イライラが募ります。
こんなこともありませんか?
やっと寝てくれたと思ったら、夜泣きの対応で睡眠時間が削られる。
ぐっすりと熟睡できたのは、いったい何日前かしら……。
とにかく、思うように進まないのが子育てなんですよね。
まだまだ感情表現の整理が上手でない年齢のお子さん。
お子さんは、今この時を生きていますから、今抱えている感情で行動します。
言葉が未熟な時期であればなおさらですね。
親御さんに自分の思いが伝えられず、どうしようもない感情を、泣くことで訴えるしかありません。
このように、まだ「コミュニケーションの発展途上」という点において、親御さんのイライラが募ってしまうのではないでしょうか?
例えば、
お菓子がほしくてぐずっている時。
「ほしい!ほしい!(泣く)」
ではなく、
「ほしい! でも無理なんでしょ。がまんしないといけないでしょ。それは悲しいから、少し泣くよ。しばらく泣いたら、気持ちの整理がつくから、しばらくつき合ってね。」
なんて長い文章、お子さんはまだ話すことができません。
逆にできたら天才児ですね!
でも、本当は、お子さんがぐずっているどの場面においても、お子さんには、お子さんの感情があり、その気持ちを泣くことで伝えているのです。
しかし、その感情におつき合いをするのに、親御さんは、相当な気力と体力が必要になってしまうんですよね。
そうなんです!
気力と体力が尽きてしまうから、子育て中のイライラが生まれるんです。
お子さんがお腹の中にいる時は、優しくお腹をなでながら、笑顔あふれるパパママになることを、思いていなかったですか?
それが、いつしか、かわいい我が子に、ものすごく怖い顔できつい言葉をかけることになるとは。
親も感情を持った人間です。
いつもどんな時でも笑顔、は無理です。
隣の芝生は青く見えますから、周りの親御さんは、落ち着いて笑顔で接しているのに、どうして自分は、こんなにいつもイライラして、子どもに冷たく当たってしまうんだろう。
そんなふうに、自暴自棄にならないでくださいね。
私も、同じです。
子どもが大好きで、キッズダンス指導を20年しています。
生徒たちの前で、イライラの感情をぶつけないように、感情のコントロールができます。
しかし、我が子の前では、必ずできるわけではありません。
それは、人間だからです。
親御さんにも、感情があり、心や脳、体が疲れることがあります。
まずは、イライラしている自分を「ダメな親」と決めつけないでください。
「みんなそんな経験をしながら親として成長しているのだ」と、その対処法を一緒に考えてみましょう!
まとめ
イライラの原因=親も人間だから
カッとした時、その場でできること
子育てのさまざまな場面で、イライラする瞬間に出くわすことがあると思います。
でも、もしカッとなってどなりたくなったらいったんすべての行動をストップして、「10秒」数えながら深呼吸してみてください。
爆発しそうになった感情が、この10秒で少し落ち着きます。
そして、それが、予定通りに行動してくれないお子さんへのイライラだとすると、こんなふうにします。
「30数える間にできるかな?(小さなお子さんは10を3回でもOK)」
例えば、靴をはきたがらない場合、服を着たがらない場合、園児なら、年少さんでも、30くらい数える間に完了できる子が多いです。
数は、小さい数から順に数えるようにします。
大きい数から減らしていくと、恐怖心や脅迫を与えてしまうからです。
小さい数から数えて、30までの間にできたとすると、「うわ〜30まで数える間にできたね〜!」と目標を達成した喜びに転換してあげることができます。
そして、親御さん側も、数を数える間に気持ちを落ち着けることができるのです。
イライラしている時は、たった5秒でも待っている時間が長く感じてしまうものです。
「早く! ほら、早くして!!」という言葉を、ご自身は何分おきに伝えているか、一度振り返ってみるのもいいと思いますよ。
私は、1回目の「早くして」から次の声かけまでに、1分もかかっていないことがありました。
自分のことを、せっかちだな〜と反省したものです。
まとめ)
数を数えて、気持ちを落ち着かせる。
イライラ回避のためにできること<その1>
ズバリ! 睡眠です。
親がイライラするのは、人間だから仕方ないというお話をしました。
人間だから、食欲や睡眠欲など自分の欲をしっかり満たしてあげなければ、イライラが充満しやすい環境を作ってしまいます。
その中でも、気をつけたいのは「睡眠をしっかり取る」ことです。
子育て中で、お子さんが小さい時は、とにかく毎日睡眠不足ですよね。
私の息子たちは、時には1時間おきにおなかがすいて起きる子たちで、夜中じゅう授乳をして、とっても寝不足な日々でした。
物理的にしっかり睡眠時間がとれないのが子育て中ですので、睡眠の質を上げる方法を考えてみましょう。
睡眠には、浅い眠りと深い眠りの2種類があるのは、ご存知の方も多いと思います。
この2種類が、夜の間に交互に繰り返されるのが質のいい睡眠で、翌朝しっかり体と脳の疲れが取れると言われています。
寝ても疲れが取れないのは、浅い眠りだったことが考えられます。
横で寝ているお子さんが寝返りを打つたびに目が覚めているという方は、眠りが浅い状態です。
そんな方は、下記のどれかを試してみてくださいね。
- 寝る1時間前にお風呂に入る。
- 寝る前に温かいカフェインレスの飲み物を飲む。
- 目を温める。
- おなかを温める。
- ヨガ(もしくは柔軟)をする。
- 腹式呼吸をする。
私は、三男が年少になり、子育てに少し余裕が出てきた現在の私は、可能な時は上記を全てしています。
難しい時は、せめて「3.目を温める」をしています。
自分の中で「これをすると今から眠る」というルーティーンを作れるといいかもしれません。
そうすることで、自然と深い眠りに入ることができます。
深い眠りと関係があるのは、自律神経です。
自律神経が乱れると、浅い眠りになったり、夜寝つけなかったりします。
子育て中、イライラすることが多いと、どうしても自律神経は乱れやすいものですね。
ご自身に合う方法で自律神経を整え、睡眠の質を高め、心の余裕に繋げることができると、笑顔が多い1日を過ごせそうですね!
まとめ)
イライラを未然に防ぐためには、深い眠りで疲れをしっかり癒す。
イライラ回避のためにできること<その2>
それは、スケジュールです。
1日のスケジュール。
1週間のスケジュール。
1ヶ月のスケジュール。
無理はないですか?
子育て中の方に「余裕たっぷりです!」という方は、ほぼいらっしゃらないのではないでしょうか。
一度、ご自身のスケジュールを見直されるのも、イライラを未然に防ぐとってもいい方法です。
1日のスケジュールは、まず最初に睡眠時間をしっかり確保することが重要です!
その後、それぞれのスケジュールを考えてみます。
私は、3人の男の子を育てながら、会社を経営し、園児の三男の送迎もあります。
主人も飲食店を経営していますので、昼夜はワンオペ育児です。
物理的に時間が足りないことも出てきます。
そんな時は、何をするのに、何分時間が足りないかを振り返ってみます。
それを解消する別案はないか考えてみます。
例えばスーパーに行く時間がないので、ネットスーパーでまとめ買いするとか。
他にも、我が家の夕ご飯は、日々のスケジュールで決まります。
この日は焼き物、この日は煮物というように、自分がその日、料理にかけられるのは何分間か考え、メニューを決めています。
時間に迫られていると、どうしても心が急いでいる状態ですから、そこにお子さんの感情が入ってくると、抱えきれなくなります。
その結果、イライラして、どなってしまうこともあるかもしれません。
ご自身の心の負荷を減らすためにも、一度、日々のスケジュールを見直してみたら、お子さんにイライラする状況を減らすきっかけになるかもしれません。
まとめ)
イライラと日々のスケジュールには、密接な関わりがある!
イライラ回避のためにできること<その3>
それは耳を休めることです。
子育て中は、常に音が聞こえている状態です。
しかも、泣き声など、かなり大きな音を耳にすることも多いですね。
耳って疲れるんです。
ご自身の好きな音楽を聴いたり、もしくは、無音の環境に身を置いたりしてみてくださいね。
目を休める時に、目を閉じるように、耳も意識的にお休みをさせてあげるんです。
些細なことですが、ご自身が疲れから回復していることを感じられるかもしれません。
いろいろな疲れの解消法がありますが、意外と見落としがちな「耳」も、休ませてみると効果があるかもしれませんよ。
まとめ)
耳も疲れる! 休息を大切に。
最後に…
このコラムをご覧になってくださった方の中で、イライラが止められなくて、もしお子さんに手をあげてしまったとしたら……。そんな時は、お子さんの目を見てちゃんと謝ってくださいね。
お子さんの寝顔ではなく、起きているお子さんに謝ってみてください。
大人も間違える時があります。
間違えた時、心から謝る姿勢を見せるのも、子育てだと私は思います。
寝顔に謝っても、何も伝わりません。
痛みを感じて、悲しかったお子さんの心に何も届きません。
そして、痛みでは、お子さんに何も教えることができないのも、知ってもらえたらと思います。
子育てでイライラして、早く思い通りにしたくて、手を上げてしまったとします。
お子さんが、その経験から痛い思いをしたくなくて、言うことを聞くようになったとします。
でもそれは、本当のしつけではありません。
あえて強い言い方をさせていただくと、それは、恐怖による支配です。
痛みを与えることで、学ばせることはできません。
そのようにして大きくなった子は、恐怖で支配されることを経験していますから、大きくなった時、自分が同じことをしてしまうかもしれません。
子育ては、時に自分の感情を押し殺さなくてはならない時もあり、とてもしんどいと思います。
うまくできない自分を自分で責めてしまうことがあるかもしれません。
でも、それはご自身だけではないですよ。
多くの親御さんが、常に自分を「完璧な親だ」と感じて子育てされてはいないと思います。
お子さんが2歳なら、まだパパママも2歳。
お子さんが4歳なら、パパママも4歳。
親御さんも、お子さんと共に成長していけるのが、素敵な子育てだと思います。
これからも、笑顔で子育てするためのヒントを、このコラムでご紹介していきます。
このコラムと出合った方の子育てが、イライラが減り、笑顔が増えていくよう、心から願っています。